丸重城の人々~前編~
車に戻ってる途中━━━━
「こんにちは~君達綺麗だね~。こっちの子は可愛いね」
柚希の恐怖がMAXになる。
「え…や、やだ…」
響子の後ろに隠れる、柚希。
「震えてる。可愛い~」
柚希の肩に触れる、男。
「やめ…怖い…はぁはぁ……」
「ちょっとこの子に触らないで!怖がってるでしょ?」
「え~いいじゃん!」

「チッ…!
きたねぇ手で触んなよ!ガキが!」
響子が相手の男に凄む。
「なんだよ…?コイツ…」
実は響子も元・レディース総長なのだ。
「まぁ、いいわ!ちょっと待ってて?お兄ーさん?」
その場で大翔に電話する、響子。

「柚!?」
「はぁはぁ……大翔…」
「響子、コイツ等?」
兄弟が黒い雰囲気を醸し出して、走ってくる。
「そう。私達、車に戻ってるから後よろしく!」
「あぁ」
「柚希、行こ!」
「う、うん…」
二人が行ったのを確認すると、
「で?誰だ?柚の肩触った奴…」
「誰でもいいだろ、兄貴。どっちにしてもコイツ等が柚希怖がらせたんだから」
首をコキッコキッとならして、言う中也。
「まぁ、そうだな。あっち行って話そうぜ!ここじゃ他の客に迷惑だろ?」

そしてわずか10分後、車に戻ってきた兄弟だった。
「早かったわね?ゆっくりコーヒー飲んでようと思ってたのに」
「弱すぎ…全然おもしろくねぇ」
中也がおもしろくなさそうに、言う。
「だいたい、なんで二人で車に行こうとするんだよ!響子はよくても、柚はあぶねぇじゃん!」
大翔も、ふてくされたように言う。
「あの程度なら、私でも柚希守れるわよ?
てゆーか、大中が逆ナンされてたからでしょ?」
「え?」
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