森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「あら、そうなの? エディは物知りねぇ」

「リディアが知らなすぎるんだ」

「そうかしら?」

 おっとりほわわんと笑むリディアに、エディは頭が痛くなる思いだった。

 昔から、彼女はどうも頭が足りない。そのくせ、美男子には滅法弱いものだから、騙されそうになることが何度もあった。

 エディはその度にリディアを助けていたのだが、離れていてはどうにも出来ない。

(美男子探しの旅は、なんとしてでも阻止しなくては)

 まさかエディがそんな決意を固めているとも知らず、リディアは「困ったわねぇ」と呟いた。

 だが、それから考えるように小首を傾げて、彼女は言った。
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