森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
***


 アポ無しで大使館を訪れた二人に、呼び出されたジョージは気持ち悪いくらいにこやかだった。

 だが、応接間に着くなり、顔つきがガラリと変わる。

「おい、お前ら。俺の大事な時間をよくも邪魔してくれたな?」

 魔王降臨。
 エディには、そのように見えた。

(笑顔なのに、おっかない……)

 一人称が、私から俺に変わっている。

 おそらく、こちらが素なのだろう。

 いつもかけている眼鏡は外していて、心なしか少し若く見える。

 それなのに、いつもより四割増で怖い。

 ドスの効いた声に、エディは思わずロキースに縋り付いた。
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