森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「〜〜っ!」

 ちょこんと控えめな尻尾だが、獣耳同様、持ち主の感情を健気に伝えてくる。それは、たまらなくエディの母性本能を刺激した。

 悶絶しているエディの手が、戻るべきか引っ込めるべきか、悩むように宙で止まる。

 ロキースはチラリと目だけを上げて、エディを見た。

「もう、おしまいか……? それなら今度は、俺がエディの頭を撫でても良いだろうか?」

 どうやら彼は、撫でられるのも撫でるのも好きらしい。

「いいけど……」

 ロキースを撫でることが出来たのだから、撫でられるのも平気だろう。

 そんな軽い気持ちからの返事だった。

 だが……。
< 229 / 390 >

この作品をシェア

pagetop