森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「そういうことだ。だから、エディが気にかける必要は一切ない。トルトルニアの民のために、存分に力を(ふる)ってくれ。だが、たとえ理性がある魔獣をエディが仕留めたとしても、俺は何とも思わない。俺にとって、エディ以外はどうでもいいんだ」

 臆面もなく「エディ以外はどうでもいい」と言い切るロキースに、エディは恥ずかしくてたまらない。

 だけど、同時に嬉しくてしょうがないという気持ちもあって、モニョモニョと小さな声で「ありがとう」とだけ告げた。

 重すぎる愛に臆することなく恥ずかしいと頰を染めるあたり、エディはロキースという沼に落ちているのだろう。それはもう、ズブズブに。

 まろい頰を林檎みたいに赤く染めて、エディはチラチラとロキースを見上げてくる。

 今までにないくらい可愛らしい顔を日々更新し続ける彼女に、ロキースは内心、身悶えていた。彼女を抱っこしていなかったら、その辺の木の幹に額をゴスゴス叩きつけたいくらいには、煩悩が暴れている。
< 262 / 390 >

この作品をシェア

pagetop