森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「うわっ!」

「ギュッ!」

 ロキースの射るような視線を受けて、魔栗鼠はピューッと逃げていく。

「油断ならん」と呟くロキースの足が、少しスピードを上げた。

(まさに説明の最中に襲われかけるとか、タイムリーすぎじゃないか)

 ここが魔の森の中だということを、エディは忘れるところだった。

 ロキースの匂いと温もりに包まれてすっかり呆けていたと、彼女は慌てて気を引き締める。

「このように、理性のない魔獣は気に入った人を食おうとするわけだ」

「つまり、僕が今まで仕留めてきた魔獣は理性がない魔獣で、ロキースの仲間ではないということ?」
< 261 / 390 >

この作品をシェア

pagetop