【完】桜色の君を抱きしめたい


「ただいま」

「貴斗おかえり」

「兄貴。先に帰ってたのか」

「ああ。夕飯、冷蔵庫にあるぞ」

「おお...!腹減ってたんだー。ん?兄貴、その顔どうしたんだ?」

凪の頬はほんのり赤く、腫れていた。

「ああ、これ...ちょっとね」

「無理やり迫ったからアイツに叩かれたんだろ」

「何でお前が知ってんだよ。当たってるけど...」

「あと、撫でたんだって?兄貴もやるなー」

「うるさい。お前、佐伯さんに聞いたな?」

貴斗は夕飯に夢中になり、凪の話は聞いてなかった。

「美味ぇ...!」

「聞けよ!」

「ん?お、悪ぃ悪ぃ」
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