はじめてのカレカノ
すると先に帰ったはずの白井くんが玄関まで戻ってきて、
「立花さん、彼氏さん校門のところに一人で立ってるよ。盗撮のチャンスじゃない?」
翔が待っていてくれてるの?本当に翔なの?
会いたい、翔。今すぐに会いたい。
「白井くん、教えてくれてありがとう!バイバイ」
私は重い荷物を抱えて校門まで走った。
校門までの時間がもどかしくて校庭の真ん中で、まだ沢山の生徒がいる中で、
叫んだ。
大声で叫んだ。
『しょーーう!た・か・つ・き・しょう!!ただいまー!翔!!』
まさか大声で叫ばれるとは思っていなかったのだろう。
翔は私に気付き、びっくりしている。
「しょーーーっ キャッ!」
と、キャリーケースの車輪が急にロックして、荷物もろとも派手に転んだ。
「痛ったーーーい」