はじめてのカレカノ

「なるほどね、翔くんの言ってた通りの可愛らしい子だね。私は彩耶の父で、翔くんが小さい時からの知り合いなんだよ。翔くんはかっこいいのに全然浮いた話を聞かないから、おじさん心配していたんだよ。いや、良かったねぇ」

「そうなの、翔?」

今までに浮いた話が無かったなんて、なんだか嬉しいな。

岡崎先輩がずっと翔の隣に居たからだと思うけど。

翔はそんなこと気付いていないんだろうしね。

岡崎先輩に感謝。

「おじさん、変なこと言わないでよ。俺、かっこ付かないじゃん」

岡崎先輩のお父さんは「はっはっはっ」と豪快に笑って翔の肩をバンバン叩いた。

その騒ぎを聞きつけたのか翔の家の玄関が開き、翔のご両親が揃って顔を覗かせた。
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