はじめてのカレカノ

今日、沖縄旅行のお土産を渡すって約束していたのに、私はわざと忘れた振りをした。

「翔、お土産忘れてきちゃったの。ごめんね。来週渡したいんだけど、翔って来週の土日って何してる?」

「学校の時でもいいけど?」
 
もう!週末に会いたいからわざと聞いてるのに!

頬を膨らませて翔を見上げる。

「結月、変な顔!分かってるよ、俺のこと誘ってるんだろ?積極的だな、結月は」

「もう、そんな風に言わないでよ。会いたいと思ってるのは私だけなの?」


「そんな訳ないだろ。俺も会いたいよ。でも来週の土曜日は模試があるんだよな。朝から夕方まで掛かる。その時間からでもいいならどこかで待ち合わせするか?」

「日曜日は?」

「うーん、模試の次の日はちょっと勉強から離れて休憩の一日ってとこかな」

「じゃさ、土曜日の夕方から日曜日の一日を私にちょうだい。私、デートプランを考えるから。ダメ?」

「本当に今日の結月は積極的だな。積極的な結月も可愛い」

「絶対にデートしてね、約束だよ」

そう言って指切りげんまんをして

『小学生かっ!』ってお互いに突っ込んだ。
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