平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「道、きちんと教えてくれたじゃない。おかげで、真っすぐ役所まで戻れたもの」

道中に不安もなかった。リズは、にこっと笑い掛ける。

「調子が良くないから、ピリピリしているんでしょう?」

「……だから、お姉さんは人がいいんだよ」

再びシモンが俯いた。くしゃり、とサイズの合わない古着の胸元を掴む。

しばらく沈黙があった。十五歳にしては身長も低く、細すぎる彼が口を開くのをジェドたちは待つ。

「ああ、その『団長』って人の言う通りだよ。獣の身体に触ってた。それが一体なんだっての?」

やがてシモンが、もやもやとした感情を吐き出すみたいに言った。

「仕方ないじゃん。あいつが入っている身体は、まだ若い狼なんだ。……それに昨日から急激に弱ってきている感じなんだ」

ふっとシモンが顔を上げる。

「なんで?」

真っすぐシモンがジェドを見て、ぽつりと言葉をもらした。

「大丈夫だと思ったんだ。あいつも、寝る時間が増えて暴れる回数も落ち着いてきた。それなのに、元気がより一層なくなっていっているんだ」

「だから、リズに接触したのか?」

ジェドが間髪を入れず問う。

だが、シモンは先程と違って強がった文句も言い返さなかった。くしゃりと苦笑を浮かべた。

「――まぁ、ね」

強がった表情だった。でも、それはどこか大人びても見える。

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