平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
そんなリズの思いを察したかのように、カルロが顔を向けてきた。美しい紫色(バイオレット)の目が、こちらを見つめる。
《次の、悲劇に繋げないために》
「悲劇……?」
《残せば、どちらにも必ず怨みが残る。そして人間は、きっと繰り返すだろう――と領主は言ったらしい》
ジェドが素早く考える。
「つまり、知らない方が平和でいられる、と領主は考えてのことなのか?」
《その通りだ。俺も、話せない。白獣にも〝ルール〟がある》
言葉を交わしたのち、ジェドとカルロがしばし見つめ合った。
けれどすぐ、彼の方が肩をすくめて軽く両手を上げた。
「はあ。分かったよ。アティーシャの名は、今のところはいったん俺の胸に留めておこう。約束する」
ドSの鬼上司にしては、珍しい光景である気がした。今の状況を考えれば、仕方のないことだったのだろうか。
いや、白獣のルールというものを考えたのだ。
リズは、白獣たちが『白獣の女王』を口にしないことを思い出した。
ジェドはその事情を知らない。それなのに自分の都合より、カルロを優先にしてそう判断したのだ。
――カルロを信頼して、今、必要ないというのなら聞かない、と。
《助かる》
短く答えたカルロに、ジェドが「いいさ」と小さく笑った。
「白獣にも、何か事情はあるんだろう。俺は、白獣が憂うのを払う立場でもある――今は、こちらの問題を解決しよう」
《次の、悲劇に繋げないために》
「悲劇……?」
《残せば、どちらにも必ず怨みが残る。そして人間は、きっと繰り返すだろう――と領主は言ったらしい》
ジェドが素早く考える。
「つまり、知らない方が平和でいられる、と領主は考えてのことなのか?」
《その通りだ。俺も、話せない。白獣にも〝ルール〟がある》
言葉を交わしたのち、ジェドとカルロがしばし見つめ合った。
けれどすぐ、彼の方が肩をすくめて軽く両手を上げた。
「はあ。分かったよ。アティーシャの名は、今のところはいったん俺の胸に留めておこう。約束する」
ドSの鬼上司にしては、珍しい光景である気がした。今の状況を考えれば、仕方のないことだったのだろうか。
いや、白獣のルールというものを考えたのだ。
リズは、白獣たちが『白獣の女王』を口にしないことを思い出した。
ジェドはその事情を知らない。それなのに自分の都合より、カルロを優先にしてそう判断したのだ。
――カルロを信頼して、今、必要ないというのなら聞かない、と。
《助かる》
短く答えたカルロに、ジェドが「いいさ」と小さく笑った。
「白獣にも、何か事情はあるんだろう。俺は、白獣が憂うのを払う立場でもある――今は、こちらの問題を解決しよう」