平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
激しくぶつかり合う獣同士の戦いを眼前に、リズは思った。獣騎士ではない自分がいるから隙があるとするのなら、今がチャンスだろう。

その方法が浮かんだ時、怖くて心臓がきゅっと痛んだ。

でも、他の誰でもなくリズにしかできない方法だ。

――リズは獣騎士ではない。魔力も繋げられない。

たとえ亡霊に触れたとしても、きっと問題なくシモンを奪い返せるだろう。そして相棒獣たちよりも身体が小さいこともメリットだ。

これからしようと考えていることを想像すると、手は震えそうになる。

けれど今、ここで単身で動けるのはリズだけだ。

自分がやるしかない。シモンを引き離せば、亡霊もいったん飛行などができなくなる。よし、やるぞ!

リズは恐ろしさに絡め取られる前にと、覚悟を決めてすぐ動き出した。

「団長様! 私が行きます! カルロを亡霊の少し上まで近付けてください!」

「は……?」

カルロがまた取っ組み合った中、ジェドが呆気に取られた目をリズに向ける。

「すまないリズ、なんだって?」

「そうすればシモン君を奪還できますし、いったん上空の亡霊も止められます!」

「は」

《なるほど、名案ではある》

と、カルロが不意に会話に加わった。

ようやく何やら察した様子で、ジェドが嫌な予感を覚えた顔をした。

「おい待て、一体何をする気だ」

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