平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
こっそりの調査任務だ。来るまでも仕事としての緊張感はあったのだが、実は有給休暇じゃないんですとも言えない。

とはいえ、彼らが今一番気にしているのは別にあった。

だからリズも、今のところ続ける言葉に悩む必要もなく助かった。

両親も村人たちも、ちらちらとジェドとコーマックの方を見ていた。生きる世界が違っているのを肌で感じ取っているのか、いつもみたいに勝手に話しかけられない様子だ。

「えーっと……その、こちらが手紙に書いていた、先輩の獣騎士たちです」

リズは、言うのが大変苦しくって言葉が詰まりそうになった。作り笑顔も崩壊気味である。

獣騎士団のトップ二人を、先輩呼ばわりとか無理がある!

ドS上司が猫被りでにこにこしているのも、まるで『失敗したらすまきにする』と脅されている妄想が込み上げて緊張した。

「そうなのね、リズの職場の先輩……」

「いや、しかし驚いた。獣騎士って初めて見たけど、どっちも軍人っぽさがないというか、えらい別嬪さんなんだなぁ」

「なんだろう。こう、品があるというか」

リズに紹介されたものの、村人たちは戸惑う空気を漂わせる。

するとジェドが早速動き出した。コーマックが止めるよりも早く、すっとリズの前に出て母の手を取った。

< 31 / 192 >

この作品をシェア

pagetop