平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「お母さん、手紙でも伝えたんだけど、仕事で仲良くなった先輩たちに、田舎の観光を頼まれたの」

「そうだったわね。どちらも都会の人っぽいものねぇ」

「あ。うん、そうね。それで、えっと、ここでは一泊だけして、そのまま向こうへ行こうかと思っているの」

リズは、ぎこちない演技で指差した。

「私も知らなかったんだけど、大きい山もあるんだってね。町もあって、それに小さなベン=ドラッド村もあるとか」

村の名前を出した時、不自然になっていないかどうか緊張した。

「ほら、私もあのあたりまでは行ったことがなかったから」

「そりゃ、あんた一人行かせたら、帰ってこられなくなるかもれないじゃないの。大きな穴に落ちたり、木の実が落ちてきて失神したりしたら、通る獣に食べられてしまうわよ?」

「…………うん。そう、だね」

父と揃って周りの村人たちも、同じようなことを言い始めた。

リズは黙り込んだ。ジェドとコーマックが、そんなに不運なのかという目で彼女を見る。

「でも、あの村の方へ行くんだったら気を付けなよ」

ふと、そんな声が村人の中から上がった。

目を向けてみると、作業用エプロンを着た近所のおばさんがいた。目敏くジェドが尋ねる。

「それは、どういうことですか?」

「タイミング的にね、ちょっと遠慮した方がいいかもしれないと思って」

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