平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
引っ掛かってぶらさがっている、ひしゃげた鉄扉をしげしげと観察してジェドが思案げに言った。

「大きさ的に――カルロに匹敵するぞ」

「まさか」

コーマックが、信じられない様子で目を向ける。

「カルロ級の大きさの白獣を、僕はこのかた見たことありませんよ」

「俺だって、カルロが初めてだ」

そんな声を聞きながら、リズは凹んだ屋根の横側へと移動した。そこには数本の引っ掻き傷があって息を呑む。

このくらいの山々であれば、野生の狼だって生息しているだろう。

だが、それはリズが知るどの爪跡とも違っていた。

見れば見るほど、大きい。そっと手で触れてみると、かなり深く壁がえぐれてしまっているのが分かった。

その時、近くに人がいないのを確認してジェドが呼んだ。

「カルロ」

すると、木々の中から大きな影が飛び出してきた。高く跳躍してきたカルロが、ドゥッと音を立てて着地する。

「この山にいる、他の野生の動物の気配は分かるか?」

歩み寄ってきたカルロが、顎を上げて「ふんっ」と鼻を鳴らした。

それくらい造作もない、と答えている気がした。

するとリズが見ている前で、ジェドがやや頭を下げたカルロの鼻の上あたりに触れた。互いが目を合わせたまま、数秒黙り込む。

あ、会話しているんだわ……。

リズは、信頼し合っているかのような姿に見入ってしまった。

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