平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
獣騎士は、相棒獣の魔力と繋がって心の中で意思疎通することができる。相棒騎士は、そこで名付けた相棒の名を呼ぶのだという。

――そして獣騎士団長であり、グレイソン伯爵であるジェドは、相手が受け入れればどんな白獣ともそうすることが可能だった。

その時、ジェドの目がリズとコーマックへ向けられた。

「この一帯にいるのは、中型に分類される動物までだ。匂いからすると、生息数が激減しているわけでもないらしい」

山の中は喰い荒されていないので、大型獣の実在はあやしくなる。

だが、相手は未知の〝亡霊〟だ。通常の生き物と別と考えれば、その事実はかえって存在の信憑性を増させる気もした。

コーマックが、「はぁ」と気の抜けた相槌を打った。

「さすがカルロですね。潜在能力が高い……その嗅覚にも驚かされます」

「まぁな。俺も、たびたび驚かされることがまだある」

「団長が魔力を繋げても計れない部分があるというのも、珍しいですね。それくらいに強い白獣ということですか」

カルロの額を撫でで褒めているジェドを前に、コーマックが首を捻る。

リズは、場違いにも少しホッとしてしまった。

「その大型の謎の獣は、獣を食べているわけではないんですね」

思わず言葉をもらしたら、ジェドが顰め面を向けてくる。

「亡霊であれば、肉は食わんだろ」

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