平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「でも、亡霊話が本当だとしたら、元になっているのは生きている獣ではあるんですよね?」

「リズさんの言う通りですよ、団長。それが摩訶不思議な事実だとすると、同じく肉食獣の体を使っている可能性はあるかと」

コーマックが口を挟んだ時、カルロが反応した。

気付いたジェドが素早く目を向けた。すっかり相棒同士だ。手を触れて意志疎通したわけでもないのに、視線を交わしたかと思うと頷く。

「誰か、来たらしい」

ジェドが手で合図を出した。指示を受けたカルロが、森の木々に隠れているコーマックの相棒獣に合流するように戻った。

待っていると、馬車の車輪の音が聞こえてきた。

ドラッドの町で協力して出された馬車とは、違う音だ。

宿先はまだ決めていないので、いったんの合流場所は村の停留所になっている。今のリズたちの場所は、知らないはずだ。

――それなのに、こんな村の端に農用ではない馬車の音。

「貴族の馬車だな」

見えてきて黒塗りの馬車を、ジェドが青い目で捉える。

馬車の側面には、家紋が描かれていた。御者も専属であるのか、きちんとしたみなりを整えて帽子も着用している。

すると、馬車がリズたちの前で停まった。

こちらに用があるらしいと待ち構えていると、御者が戸を開けて一人の男が降りてきた。

< 58 / 192 >

この作品をシェア

pagetop