平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「俺は、今、陛下たちに誤解されたままのことを――ふりではなく、本物の関係にしたいよ」

「えっ?」

「落ち着いてくれ。今は、それでいいから」

ジェドが真っ先、苦笑交じりで言ってきた。

「明日も早い。おやすみ、リズ」

頭を撫でられたかと思うと、そのまま手が離れていった。

温もりが離れる。なんだか寂しいような気がしたが、胸が大きくドキドキし出して、それどころじゃなくなった。

リズは、咄嗟に反対側を向いて胸をぎゅっとした。

どういう意味? 余計気になって眠れそうにないんですけど!?

すると、カルロがボスンッと遠慮もなくベッドに尻尾を乗せてきた。大きいものだから、リズもジェドもすっぽり包まれる。

二人と、一頭。その空気が心地いい。

『明日も早い』

そうジェドに言われた言葉が脳裏を過ぎる。

村人たちが安心して暮らせるよう、今ここで起こっている事件を自分たちが解決しなければならない。たとえ白獣に関わらないものであったとしても、力になれるのなら頑張るだろう。

きっと、団長様もそうだから。

ジェドは、獣騎士団で一番のドS上司だ。普段『理想の上司ナンバー1』という猫を被っていて、それなのにリズたちには仕事の鬼だ。

でも、本当に優しい人でもあるのだ。

彼は領民と、部下と、白獣と。白獣の子たちのことまで、よく考えている。そしてリズを信頼して任務を与えてもくれた。

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