平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
手を伸ばせば触れられる距離で、まるで心の声に応えるみたいにジェドの声が聞こえる。

リズは、落ち着いたカルロから手を離した。

そのまま自然と寝返りを打って、こちらを見つめているジェドと目を合わせた。

彼の青い目を見た途端、直前までのことも嘘みたいに心は鎮まった。

そうだ。そうだった。私はこの人を誰より信頼して、カルロとどこか似た眼差しをした彼を支えたいと思った。

――昨夜と違って、そばにいることに安心している自分がいる。

「はい。団長様」

心細さも感じなかった。そう答えたら、ジェドが手を伸ばしてきたので、リズは彼の手を取った。

一緒に横になって、手を握ったまま見つめ合っている。

それはとても時間が穏やかに流れているようで、なんだか不思議だった。

「お前は、純粋なんだな」

「え?」

ふっとジェドが口にしてきて、リズはきょとんとする。

「大切に、一つずつしていかないと、きっとだめなんだろうなって改めて分かった」

不思議に思ってい見つめていると、頬に触れられた。

顔の横を大きな手に包み込まれて、とくんっと心臓がはねる。

「さっき、『ここでフリをする必要があるのか』と尋ねたな」

指が髪を触れるのを感じて、ドキドキした。

「は、はい」

どうにか答えた。近くから見つめてくる彼の落ち着いた表情から、どうしてか目が離せない。

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