平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
子供の姿があったとすると、その子が指示を出して、獣に荷馬車を押し倒させたのだろうか?

そもそも謎の獣は、本当に亡霊によって姿が変化した元白獣なのか。

状況が分からないだけに胸がざわついた。

急く思いで待っている間にも、ベルベネット子爵自慢の速馬の馬車は、ほどなく現場に到着した。

そこはすでに、ベルベネット子爵の指示で先に不要な人々が払われていた。

「……ひどい」

下車してみると、広い畑沿いの道に転がった大型の荷馬車が見えた。散乱した荷台の破片の一部など、男たちが対応にあたっている。

怪我人も少し出ているようだ。座り込んだ者と応急処置をしている人たちが、まばらに数組目に留まって緊張が走る。

すぐそこには、昨日見た村長カシムの姿もあった。

「一体何があった?」

場への動揺も見せず、ジェドが駆け寄って尋ねる。リズも、コーマックとすぐあとに続いた。

「例の亡霊が出て、荷馬車を押し倒したようなのです。村の者から知らせがあり、どうか連れていって欲しいと頼んでここへ」

「そうでしたか……無茶をされますね」

「村の中で荷馬車を襲撃されるのは、初めてのことなのです」

薄いジャケットを寝間着の上から羽織っただけのカシムは、心配しきった顔で胸元の服を握る。

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