天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「“絶対王者”と呼ばれる中京大 中部と、
これまでの歴史、毎度互角に渡り合い、
幾度となく勝利も納めてきたという事は、
実力は彼らと同等かそれ以上でしょう。
・・・恐らく明日は【1点勝負】です。
岩瀬君、正津君、憲伸君。
彼らには酷な要求となりますが、“1点”を先に取られた方が圧倒的不利に立たされます。」
「準々決勝を2日間雨で順延した分、
休養日無しでの連戦・・。
しかも明日は【最高気温40度】を記録するかもしれない厳しい猛暑・・。
更なる激戦が予想されますな・・。」
「決勝ともなれば、
例え相手が絶対王者でも、
アドレナリンが出るので、
何とでもなるでしょう。
だから明日・・準決勝がこの大会、
最大のヤマ場です。」
最後はやっぱり阿部先生の薄気味悪い笑顔が浮かぶ。
甲子園出場まであと2勝・・。
享令高校、南邦高校にジャイアントキリングを成し遂げた、
我が学園野球部が立ち向かう・・
3校目の相手・・!!
「あ、そういえば理事長。今日は何を阿部先生に食べられたんですか?」
「さっき行列に並んで買ってきたタピオカミルクティーです~。」
「・・あんた可愛いもん飲んでるな!!」
私も武者震いがしてきて、
今日は理事長へのツッコミが口から出た。
夏の全国高校野球
愛知県大会 準決勝
青愛学園
対
私学4強 猛勇【愛工大 名錬】
第16話 完