天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「お、おい変態先生・・・。」


「ここは黙って最後まで聞いてください。」


口ではいかに担々麺が辛かったか、

体ではその風貌も相まって、気持ちの悪いピッチングフォームを続ける。




「・・・・以上です。では皆さん。大きな声で“おぉ!”と叫んでください。」


「「「「・・・・??」」」」


「中村君。音頭を取ってください。」


「・・よ・・よし、この回は一巡して福留からだ!まずは1点、追いつこう!!」


「「「「「お・・おぉ!!」」」」



「・・あ、一つ言い忘れました。“初球攻撃 禁止”をこの回から解禁します。

・・・福留君。
ヒットを打つのは難しくても、

なんとか食らいついて、
バットに当ててください。」


「任せたもんせ!!」



みんなの“?”が解けないまま円陣が解けて、
バッターボックスに向かう1番 福留くん。



「・・・・・・・・・・龍。」


「どうした?」


私の横に座ってバッティンググローブを付ける龍ちゃんの横に・・立浪くんが座った。


「気付いたか?」


「何を?」


「上原・・ずっとこっちを気にしてたぞ。」


「“こっち”って・・俺らのベンチ?」


「もしかして阿部先生の狙いは・・
上原なのかもしれない・・。」


「え・・・立浪くん。どういう事?」


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