天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
福留くんが積極的に初球攻撃したけど、
センターフライに倒れてしまった。
龍ちゃんがネクストバッターズサークルに向かったので、1つ詰めて立浪くんが私の隣に・・
「上原の立場になって振り返ると・・。」
「相手の立場・・?」
「3回表、7番打者が1度もスイングしないであっさり三振。」
「うん。」
「8番打者も同じくスイングすることなく三振。」
「うんうん。」
「9番打者に初球でストライクを取った後、
何故かこのタイミングで攻撃タイムが取られ、8番打者が伝令として何かを伝えに行った。」
「・・・・・・・。」
「岩瀬の天然もアシストしたのかもしれないけど、伝令はニヤニヤしながら・・
打者は自分の方を見て・・
何か会話を交わしている。
でも結局9番打者も一度もスイングしてこなくて3回表終了。」
「・・・・・・・・・・。」
「そしてこの回・・・攻撃前に、
初めて青愛学園が円陣を組んで、
監督がピッチングの真似をしながら、
選手へ指示を送っている・・・。」
「もしかして・・・・?」
「【まさか自分に何か“癖”があるのか?】
【それを青愛の監督が気付いたんじゃないのか?】
・・・・俺達はただ、
“昨日の夕食”の話をしてただけなのに、
上原を【疑心暗鬼】に陥らせようとしているのかもしれない。」