天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
・・・3回表・・・・。
1番まで戻って・・
大西くんが三振して・・チェンジ。
これで・・ヒットを打った龍ちゃん以外・・全員・・三振・・・。
「・・ハァハァ・・ハァハァ・・。」
・・・3回裏・・・・・。
マウンド上で・・
肩で息をする憲伸くんに・・
中村くんや龍ちゃんが必死に声を絞って檄を飛ばす・・。
裏の攻撃になると“カキン!”と金属音がこだまし続けるグラウンド。
この回も・・1アウトも取れずに・・
重なっていく失点・・・・。
「・・ハァハァ・・ハァハァ・・。」
教頭先生も・・アリサも・・
後輩マネちゃんも・・
ベンチにいるメンバーも・・・
グラウンドにいる9人も・・・
誰もが次第に・・言葉を失っていく・・。
「【0―29】ですか。あと1点ですね。」
「!?」
いつの間にか・・
試合前は姿を消していた変態が・・
白衣姿のままベンチに戻ってきていた。
「今みたいに、全ての塁上に攻撃側の選手が居る状態を“満塁”と呼ぶそうですね。」
・・・ノーアウト満塁・・・
憲伸くんが投げた“最後”のボール・・。
この日一番の・・ウチらからすれば“心地悪い”・・完璧な金属音。
センターの大西くんがその打球を追って・・
フェンスの隅に張り付いて・・
膝から崩れ落ちていく・・・。