天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「“野球”は複雑な点数計算をするんですね。

僕は[0―30になった時点で試合終了]と先方の顧問と約束しましたが、

0―29の状態で“満塁ホームラン”が出たら、

4点が加算されて【0―33】という試合結果になるのですか。」


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「3回裏で試合終了・・・ハッ面白い。

僕は“2回裏で終わる”と仮説を立てていたので、君達は僕の予想を覆す善戦を見せた。」


ブツブツと呟く変態の独り言を聞きながら、
・・・・視界が滲んでいった・・。




“叙々苑Hooo!”
“いや俺、行った事ないっすよ!”
“いやいや俺だってないし!”
“スッゲー!叙々苑だべ叙々苑!”
“あ~腹減った”




“主役”は叙々苑・・
ウチらは“モブキャラ”・・。

嬉しそうにホームベースへ整列する享令高校・・。



打ち砕かれた自信。
崖の下に叩き落とされた誇り。

・・見せつけられた・・力の差・・・。


滲んだ視界の先・・・ようやく・・重い足取りが追いついたみんなが整列して・・


《33―0をもちまして、享令高校のコールドゲームとします。礼!!》


「「「「「「「押忍!!」」」」」
「「「「「「・・リガトウ・・マシタ・・」」」」



小さく丸まった全員の背中を見て・・
視界が完全に滴で埋め尽くされた・・。





















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