35cmの音
マキさんがまた俺にゲンコツ

「あんな無邪気に笑いかけられたら若い男は、いや男も女もイチコロよ!」

「うん、分かります」

俺は分かりすぎて辛い

「早く迎えに来ないと知らないからね!」

「がんばります...」

「そのうち連れ拐われちゃうわよ!」

「俺が倒します」

「えー何その目!怖いよ!獲物を仕留めるような目!やだこんな兄っ」

そりゃ殺す気で行くわ

「アイツは馬鹿だからモテるとか、いや、もう
口説かれてる事にすら全く気付いてねーけどな!がはは」

それも分かるから心配

「でもねレオ、もっと信じてあげなさい」

心配だからって確かにこんなことばっかして自分勝手だよな。

「はい。」

少しだけ自粛しよう。

「もっと自分を信じて自信持ちなさい!」

そっか。

咲那を信じる。

そして、

“自分のことも信じる”


そう書いて自信と読む。

「確かに。」

いまの俺にはそれが足りないんだ


「あんたもね!」

マキさんが舞音を指差す

「えぇ僕まで?!」

少しだけ自分を信じてみたくなった。
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