初対面の男の人とルームシェアリング始めました。
「おはよ~、陽葵」

朝食の準備をしている私に蓮くんが声をかける。昨日、2人で気持ちを確かめ合ったんだよね。そう思うと顔を見るのもちょっと照れくさい。

「おはよ~、蓮くん」

ハムエッグとサラダ、トーストの簡単な朝食を出しながら、私は挨拶する。

「陽葵、今日は何限から?」

「2限からだから、ほんのちょっとゆっくり」

「そっか」

しばしの沈黙。・・・何を考えてるの?蓮くん。

「今日は、夕食いらないわ。・・・奈美とちゃんと話してくる」

「・・・わかった」

朝食を食べ終わった。食器洗いは蓮くんがやってくれている。

「ね、蓮くん」

後ろから、抱きついた。

「奈美さんが、どうしても別れたくない、って言ったらどうするの?」

「納得させるよ。心配すんな」

「・・・うん」

奈美さんの気持ちを考えると苦しくなる。今までうまく行っていたのに、突然ルームシェアリングすると言い出したと思ったら、そのルームメイトを好きになった、って言うんだから。私だったら、哀しいし、あきらめきれないし、納得できないし、怒りだって出てくる。奈美さんと会うことになるかもしれないな・・・なんとなくそんな予感がした。
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