甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています
「私…大学を辞めて、母が亡くなって…、自分の生活を立て直すのでいっぱいいっぱいだったんです」
話しながら、俺がいつかプレゼントしたピアスの箱も大事そうに両手で出してテーブルに置く。
まだ二十歳になって間もない女性が1人の身よりもなく生活する不安や困難は想像に難くない。
それでも遥は前だけを見て必死にここまで生活してきた。そのことだけでも彼女の強さが垣間見れる。
「でも悠さんに出会って、悠さんを大好きになって、もっと素敵な女性になりたいって思ったんです。今の健診の仕事も、たくさん勉強していずれ正職員になりたって考えてて…」
「遥……」
一生懸命に想いを伝えてくれる遥をじっと見つめ、その言葉に耳を傾ける。
今も充分ひたむきで健気な彼女がさらに上を向き、自分の人生を謳歌しようとしている。
まだ22歳の彼女が5年後10年後、一体どれだけ魅力的な女性になることだろう。
「ただ毎日を過ごすだけじゃなくて、色んなことを吸収しながら成長していきたい。出来れば悠さんのそばで……、一生」
遥の唇から紡がれる言葉を何一つ取りこぼさないよう大人しく聞いていられたのはそこまでだった。
頬を赤く染めながらも俺への想いを口にしてくれる彼女に、理性は風前の灯火。細い手首を引き寄せて胸に抱き締め、今伝えてくれた言葉の真意を問う。