シークレットベイビー 弥勒と菜摘
弥勒の実家を出て、帰りの車の中で弥勒は言った。赤ちゃんの話を、まさか、今日の朝、聞いたそうだ。
それで今。
もうこの状況。
部屋の用意がされてたら、それこそ騙されてると思うよ。
行動力ありすぎじゃないか。
冷静で落ち着いてて迷いがない。
そんな迷いのない態度は、周りに安心感を与えるし、落ち着いてしっかりとした意思は人を従わせる。
決断力や責任感や、なんか、すごく仕事もできるんだろうな、と思ったし、間違いない人だな、と思えた。
弥勒は自分の住むマンションに車を止めたらしい⋯⋯ というのも、ここも実家に劣らず超高級ホテルみたいで、よく分からなかった。
エントランスにはコンセルジュ? って言う人? が出迎えてくれる。
とにかく、広い!
確実に迷う。
エントランスが、ぱーっと天井が高くてシャンデリアがあって、木が生えていて、壺があって、応接セットがあって、絨毯が敷いてあって、いったいいつ、誰が使うんだろう⋯⋯ と悩む。
ひとけも全くないのに、広い広いスペースは電気が付いているし、空調も一定に保たれてる。
駐車場から部屋に行く専用の道があるらしんだけど、コンシェルジュに荷物を確かめるため、エントランスを通ったそうだ。
「ありがと」
と弥勒が受け取った荷物。
「さっきネットで注文したんだ、」
と赤ちゃんの用意一式。
それといつも頼んでいる無農薬野菜だった。「それは、部屋にとどけてね」と言って、手ぶらで部屋に移動した。