シークレットベイビー 弥勒と菜摘
ケーキ屋に寄った後、弥勒の車は車道から小道に曲がった。
それから住宅街をグニャグニャ行って、最後にもっと小道を曲がったら、細い一本道で山道みたいに上り坂になった。
そんな専用山道みたいなのをすこし走ったら、でーんと素晴らしいドラマみたいな門があった。
窓からのぞいて、門が閉まってるな⋯⋯ 、美術館かな⋯⋯ 、なんて思ってたら、自動でウィーンと開いて、それこそ数十台ほど止め放題みたいな車止めっていうのかな? 広場? そこに、シャーって一回で前から車を止めた。
さて、弥勒がドアを開けてくれる。
一子をぶつけないように、しっかり抱っこしながら車からおりたら、ホテルみたいな立派な建物が2、3件斜面に建っていた。
見上げたら、目に一回では入りきらなくて、パノラマみたいに首を動かして見た。
後部座席の窓からは分からなかった。
ホテルかな、
きっとホテルだよ。
うん。
それから、坂道を歩き出す。
車を降りて一番近い右手の建物は、
弥勒
「はなれなんだ」
って通り過ぎた。
整備されてる公園見たいな、花が咲いて、大きな木が茂る、ベンチがある、そんな小道を上がって、さっきよりだいぶ大きな2軒目を右手に、
弥勒
「空き家なんだよね〜」
って通って、一番斜面の上の、一番大きな建物の前。奥がどこまであるか分からないぐらいの大きな大きな建物。
それにに入るための橋⋯⋯ ?
ガラスが空中に浮かんでるみたいな広い部屋、まさか玄関かな⋯⋯ ?に続いている⋯⋯ 橋⋯⋯ ?
橋を渡って、おそらく玄関と思われる扉を開けたら、緑の植物がアーチのように、室内なのに、ジャングルみたいに生えてて、広い温室みたいだった。
全面ガラス張りと思ったけれど、頭の真上の天井までガラス張りだった。
でもこのガラス、防弾なんだ、と弥勒に教えてもらって、へーって。
そっか、防弾か⋯⋯ 。
床は靴を履いたままでいいのか、よく分からない美しい大理石がペタ〜って広がってる。
弥勒のマネをして靴を脱ぐ。
一子を抱いてるから、足で揃えながら脱ぎっぱなしになった。
弥勒がスリッパを出してくれたから履こうと思ったけど、フカフカだし転んだら危ないから、そのまま、申し訳なくも素足にした。
廊下かな、絵画がかかって置物やら壺があって、⋯⋯ そこをを通って、両開きのドアを開けたら、ぱーーっと一気に開けた多分リビング⋯⋯ 白基調の眩しいホームパティー会場みたいな、何十人も集まれそうなオープンキッチンの⋯⋯ 。
左側には大きな大きな洒落た白い机とセットの椅子が2、30人分ほどある。
真ん中とかそこらとかに、外に生えてるレベルの大きな緑の木と、ガラスの大きな花瓶に、自然に生えてるみたいな花がわさ〜って洒落ていけてある。
その後ろは、全面、天井まで磨き上げられたガラスで、あ、これも防弾に違いない、その外には広い庭が広がり、バーベキューのセットもある。
さらにその向こうに柵があって、すごい眺めだった。
空が自分達のためだけに開けていて、その下に市街地が一望できる。
観光地でもこんな眺めはなかなか見れないだろう。
部屋に入って正面はオープンキッチンで、その後ろは、グラスやら食器やら、そらから鉛色の各種のお鍋やらフライパンやらが装飾品のようにならんでる。
部屋の反対の右側に10人ぐらい座れるようなフカフカの応接セットのソファーがあり、そこに座った。
左側も右側も全部、大きな大きな一部屋だ。
ソファーの近くにはスクリーンほどの最新型のテレビがあり、そのまわりには、おもちゃやらビデオやら、ちょっと生活感のある物が置いてあり、ホントに人が住む家なんだなって初めて感じさせられる。
広い部屋の温度はちょうどいい。
ここ。
やっぱり弥勒さんの実家らしかった。