ばいばい、処女。




シャワーから出る適温のお湯が汗を流し、


下腹をさすりながら足元に視線を向けると透明なお湯がただただ流れている。


思っていたより血って出ないんだな…。



お湯の流れをボーッと見るのを止め、今度は目の前の鏡に写る自分の全身を見つめる。


「……何も変わってない」


よく漫画や小説など初めて身体を重ねた後、変化を物語っていたけど、表情も体型も、全ての鏡に写る自分の見た目に変わった所なんて何一つない。



大好きな人に大切な処女を捧げたら心満たされた温かい気持ちになってきっとそれが表情に現れて……

なんて、私は夢見すぎていたのかもしれない。


どれくらいシャワーを浴びていたのだろう。

体感的には5分、でも実際は多分20分くらい。


頭からシャワーを浴び、全身隅々まで洗うと静かに風呂場から出た。


着替えを済ますと最後に洗面台の鏡で顔を確認すると少し目が腫れていた。


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