【短】春、二人だけの思い出を
半分考え事をしながら「ここで卒業生は起立します」という先生の説明に従って動いていた時。
急に前の外山くんがしゃがみ込んだのが視界の端にうつった。
え、…?うそ…
「外山くん、だいじょ、」
身を乗り出して小声で話しかけようとして、外山くんが苦しそうに胸を押さえながら浅い呼吸を繰り返していることに気づく。
幸い私たちの席は通路に近い端の方。
咄嗟に体が動いていた。
「ちょっとごめん!」
異変に気がついて驚きはじめたクラスメイトたちに謝りながら、外山くんの肩を抱いて体育館の外へ連れ出す。
そのまま保健室へ向かった。
保健室には先生がいないみたいだったけど、鍵は開いている。