【短】春、二人だけの思い出を
「外山くん、大丈夫?」
過呼吸を起こしているようだった。はぁはぁという呼吸と一緒に肩が上がって苦しそう。
「大きく吸って〜吐いて〜」
保健室の窓を開けて、涼しい場所で背中をさすりながらしばらくそうしていた。
5分ぐらいで少し落ち着いてきたようだ。
「ごめん三井さん、」
「もう大丈夫?」
「うん。ちょっと落ち着いてきた。ありがとう」
「よかった。私、先生呼んでくるね」
そう立ち上がったところで、腕をぐっと掴まれる。
「待って。いいからここにいて」
不安そうな揺れる瞳。
勝手に抜け出して来ちゃったんだし、連絡した方がいいと思ったけど、縋るように見つめられたらそうするしかできなくて。
もう一度、隣に腰を下ろした。