【短】春、二人だけの思い出を


「外山くん、大丈夫?」


過呼吸を起こしているようだった。はぁはぁという呼吸と一緒に肩が上がって苦しそう。


「大きく吸って〜吐いて〜」


保健室の窓を開けて、涼しい場所で背中をさすりながらしばらくそうしていた。

5分ぐらいで少し落ち着いてきたようだ。



「ごめん三井さん、」

「もう大丈夫?」

「うん。ちょっと落ち着いてきた。ありがとう」

「よかった。私、先生呼んでくるね」



そう立ち上がったところで、腕をぐっと掴まれる。

「待って。いいからここにいて」


不安そうな揺れる瞳。

勝手に抜け出して来ちゃったんだし、連絡した方がいいと思ったけど、縋るように見つめられたらそうするしかできなくて。


もう一度、隣に腰を下ろした。

< 15 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop