世界でいちばん 不本意な「好き」
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久しぶりに快晴だ。そう思ってベランダに出ると久野ふみとが手を振ってきた。もうおどろかない。振り返さないけど。
「アリスおはよー」
「…朝から元気だね」
「仲直りできたから久しぶりによく寝れたよ」
あっそう。
けんかしたとは思ってなかったけどね。しつこくしてきた向こうが悪いんだし。あーあ、なんであやまっちゃったんだろう。
「またあとでね」
茶色の瞳が隠れる。そんな笑みに、少しだけ頷きを返して中に戻った。
そういえば、とテーブルに置いたままにしていた、昨日久野ふみとと一緒に帰ったときに受け取ったショーマのライブチケットを手に取る。
ライブハウスでやるんだ。部室か路上かだったから新鮮だ。
行きたい気持ちはゼロに近いけど、受け取らない流れにはどうしてもできなかった。だって久野ふみとはすごく楽しみそうだったんだもん。
それにしてもショーマはかなり久野ふみとを気に入ってるみたいだ。だって付き合っているときでさえ聴きに来いと誘ってきたことはほとんどなかったのに。
何がいいんだか…それとも物めずらしいだけかな。
寧音のこともあるのに、男の子って不思議だ。ちょっとだけうらやましいかも。