ヤンデレな子犬系狼様の愛は重すぎる。
「屋敷じゃないから、尊和にして」

「じゃ、じゃあ、尊和くん!えへへっ、なんか……嬉しいな」

「っ!」

 可愛すぎるだろ……。

「なにイチャついてんのよ」

「い、イチャつ!?イチャついてなんて、ないよ……?」

「お前、相当な金持ちだそうだけど、なんでヒヨなんだよ、よりによって」

「そりゃぁ、ヒヨが運命の人だからですよ」

 そう言って、ヒヨを抱き寄せた。

「なにが運命の人だ!!」

「もう、アンタ父親みたいね」

「ヒヨは、オレと瑠奈のもんだろ」

「それは、その通りね」

「ふ、二人っ……嬉しいけどっ……は、恥ずかしいっ……」

「あら?赤面〜」

「っぅ……」

「あー可愛い……」

「へっ!?」

「あ、ごめんね、つい心の声が……」

「っ……!!」

 ヤバイな、人いっぱい集まってきてる、早く家の中に入れてもらおう。

「ヒヨ、家、入ってもいい?ヒヨリさんに挨拶したい」

「いいよ!!あ、瑠奈ちゃんも、来楽ちゃんも、どうぞ!」

「あら、ありがとう」

「ありがとうな」

「ふふっ、うん!」

「ぎゃー!!!」

「?お母さんっ!?」

 い、いま、お母さんの悲鳴が……。

「日和!!む、虫がっ!!」

「ヒヨの母さん〜オレが取ってきますよ」

「あら……!いいの?来楽ちゃん、ありがとうね!!」

「いいえ」

 なんか……することなかったな。

——すると、車が……この場に、向かってくるような気がした。
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