ヤンデレな子犬系狼様の愛は重すぎる。
「だから、アンタらが別れるなんて許さないわよ!!」

「ええっ……!?」

「もう一回付き合ってこい!ってか、そもそも尊和は別れたつもりないと思うけどな」

「ええっ……!?」

「ほら!行ってきなさ———」

ガチャ!

「ヒヨ!」

「と、尊和くんっ……!?」

「僕……諦められないよ?だから……また付き合おう?ちゃんと、ヒヨのことも聞く、知りたいから……」

「ううっ……尊和くんっ……」

「じゃあ……また、ちゃんと彼女ねっ……?」

 こんなひととき離れただけでも……寂しさがあった……。

「私……尊和くんがっ……好きっ……」

「っ、え?」

「好きですっ……付き合ってくださっ……」

「もちろん……うゎ、嬉しい……ありがとうヒヨ……大好き愛してるよ」

ちゅっ。

——尊和くんに近づけた気がして嬉しかった。そんなことをいまは思っていた。尊和くんの兄弟達に——溺愛されるなんて思わずに——
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