ヤンデレな子犬系狼様の愛は重すぎる。
 とうとう、幻聴まで聞こえてくるようになったのか……!?

「明様……!これ、理科のノートと教科書と学習ノートですっ……!」

「えっ……?」

「お、お待ちいたしました……!」

「あ、え、あ、ありがとう……」

 ひ、日和が持ってきてくれたのか……?

 やばい……嬉しい……。

「で、でも、学校は……?」

「なんか、ちょっと学校で、古くなった部分があるらしく、軽く建て替える為に、一週間ほど、自主勉強になりました!でもそのあとテストをやり、点数が悪かったら、ヤバイってだけですっ……!私は、もう大体尊和くんに教えてもらったので、大丈夫って訳ですっ!」

「そ、そっか……」

「ねぇねぇ日和」

「あ、舞様ふふっ、お隣のお席なんですね、可愛い。どうしたんですか?」

「日和は、今日は僕達のお世話係。だから、僕と明のことを見ててね」

「ええっ……!?じゅ、授業参観じゃないですかっ……!?」

「うん、まぁ権力でどうにかするからさ?ね?命令」

「ええっ……!?」

「ねぇ?ご主人様の言うことはぜぇーったいって尊和にぃにも言われたでしょ?」

「な、なぜそれをっ……!」

「そんなこといいから、決定ね」

「ええっ……!?」

 ひ、日和がいてくれる……?

 す、すごく嬉しい。

 こればかりは、舞に感謝しなければ……。

「舞、ありがとう」

「いいんだよ、兄ちゃんに任せな」

「数秒の差なのに」

「いいのそういうのは」

 一応……にいちゃんだもんな、舞は……。

「ふふっ、仲良しですね」

 なにを喋っているのかわからない日和は、愛らしく見えたのか、可愛く小さく微笑んでいる。



 そのあと、先生とかに許可をもらって、日和がいていいようにした。
 中休みになり、日和の元に行こうとすると……。

「メイド服着てる!可愛い!」

「あ、ありがとうっ……」

「ねぇねぇ!メイドって、楽しい?」

「え、えっと……う、うん!」

「誰のメイドなの?」

「と、尊和くんじゃなくて、尊和様のメイドだよっ……!」

「尊和様はイケメン?」

「う、うん!可愛くて、ものすごくカッコいい!!」

 めちゃくちゃ色々聞かれてる……。

「明くんと舞くんのメイドじゃないんですか?」

 ……。

「え、えっと、きょ、今日だけは明様と舞様のメイドだよっ……!!」

「ひーよ。」

「っ!と、尊和く!?」

「な、なんで尊和にぃが……」

「わぁー!日和ったら女の子にも男の子にもモテモテだね」

「ええっ……!?」

「君達、みんなさぁ。これ、僕の可愛い可愛い可愛すぎる天使なメイドだから、あんまり困らせないでね。で、帰るよ日和」

「あ、あのっ、で、でも、この間奥様とも、一日どこかで2人のメイドをして欲しいと言われててっ……」

「そんなの母さんが出した許可でしょ?僕が許可してないよ。ご主人様としても、彼氏としてもね」

「ええっ……!?」

「キャー!!」

 女子達の黄色い声で教室内が一瞬埋まった気がした。
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