あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています
ふと思い出したのは悠一さんと初めて会った時に聞いた話だった。
『一月に満月が2度目の時をブルームーンっていうんだ』
この時飲んだお酒もブルームーンだった。
そういえば、あのカクテルの意味って
『完全なる愛と叶わぬ恋』
だったけ。
元気が出るようにと作ってくれたけど、わたしの場合叶わぬ恋で終わったな。
「柊ちゃん、きょうお月様見にいく?」
今日の満月を見ることで気持ちをクリーンにしたかった。
「いくいく。おちゅきしゃま〜」
頭の上で円を作って左右に動かす柊一。
「じゃあ〜、今日はテント貼ってキャンプしようか〜」
「あら、柊ちゃんいいね〜」
祖母に言われ柊一は嬉しそうに立ち上がるとぴょんぴょん跳ねた。
でも本当は、現実から逃げたかったにかもしれない。
彼が結婚することは、ここにいたら自然と耳に入ってしまう。
だから式が終わるまでは森に隠れたかったのだ。
< 133 / 148 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop