あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています
空を見上げるときれいな月と星が一望できる。幻想的な雰囲気が落ち着くのだ。
2年半前、東京から逃げるようにこの島に来て、妊娠に気づいたのも実はこの場所だった。
この島は住みやすくてストレスを感じなかった。
妊娠に気づいた時には妊娠3ヶ月だった。
妊娠中も、悪阻がほとんどなく、ここに来てマイナスイオンを身体中で感じていたりしたものだった。
最近は育児や手伝い、それにアクセサリー作りが忙しく、ここに来ることができなかった。
だけど、親子でお気に入りの場所にこれて、蛍が見れると思うとワクワクする。
まだ蛍が光る気配がないと思った私は、シートを敷いて、柊一と座って蛍をみようとおもった。
するとポツリポツリと黄色の発光色が宙を舞い始めた。
私はシートを出すのを止め、蛍に目を奪われた。
徐々に蛍の数が増え、川の周りをたくさんの蛍が光を放ち始めた。
「柊ちゃん。わかる? 蛍だよ。きれいだね〜」
蛍の数はさらに増えた。
常に動きながら光っているのはオス。葉の上でとまりながら光っているのはメスと聞く。
交尾する相手を見つけるために蛍は光っている。
空を見上げるときれいに輝く月と星、そして蛍の光。
まるで星が降っているような幻想的な光景に、私は目も心も奪われ、柊一に声をかけるのを忘れてしまう。
「しゅ、柊ちゃん。起きてる? 蛍だよ〜」
だが、1歳半の柊一にはまだ蛍の良さも、面白さもわからなかったのだろ。
いつの間にか眠っていたのだ。
5月と言ってもここは山の中、あまり長居して風邪でもひいたら大変。
まだしばらくはみれるだろうし、明日は私一人来よう。
そう思い、帰ろうとした時だった。
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