サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
あれ? なんかニヤけてない? 怒ってたんじゃないの?
「恭介? なに笑ってんの?」
「いや、なんでもねーよ。詩織の顔が面白かったんだよ」
「なっ、なによ! もう!」
「ねぇ、詩織。なんで待っててくれたの?」
そう聞きながらまだ恭介が笑ってる。
「なんで、って。恭介に会いたかったからに決まってるでしょ!」
「もう、詩織って。可愛すぎ」
そう言って自転車を掴んでいない方の手で私の肩を抱き寄せて、ギュッとしてくれた。
ふふっ、片手でギュッって。私からも片手でギュッのお返し。
「ねぇ、恭介。歩きながら話そう」
片手ギュッのままじゃ歩きにくいから、残念だけど片手ギュッは一旦おしまい。