テスター
「今まではよかったわよね。可愛いから勉強だっておろそかにできた。先生たちからも贔屓されて、彼氏までいて。だけどこれから先は違うのよ。あなたも私と同じように生きていくの!」


谷津先生の笑い声にあたしは後ずさりをした。


確かにあたしは少し調子に乗っていたかもしれない。


いろんな男子生徒から告白されるし、勉強なんて面倒だと思っていた。


だけどそれは自分の見た目に胡坐をかいていたからじゃない。


単なる自分の性格だ。


「もういいよ。理由はわかったんだから、早く警察に通報しないと!」


郁乃の言葉にハッと我に返った。


そうだ、こんなところでぼんやり時間を使っている場合じゃない。


「そうだな」


久典はうなづき、スマホを取り出して警察に通報をしたのだった。


その間にも谷津先生は狂ったように笑い続けていたのだった。
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