規制アプリ
☆☆☆

その後も、言葉が使えなくなった重行からの攻撃は続いた。


トイレから戻ってくると必ず机に悪口が書かれていたし、歩いていると足を引っ掛けられてこかされたりもした。


けれどそれは必ず樹里が見ている目の前で行われた。


樹里が近くにいなければ、重行はなにもしてこないのだ。


そういえば、さっきあたしに声をかけてきたときも、ちょうど樹里がトイレに立ったタイミングだった。


もしかしたら、重行は本当はイジメなんかに興味がないのかもしれない。


といっても、今更そんなことがわかっても、もう遅いけれど。


「次の授業は自習になったからなぁ」


5時間目が終わって休憩時間に入ったとき、田中先生が教室にやってきて黒板に大きく自習の文字を書いた。


「先生が来ないんですか?」


樹里がすかさず質問をする。


田中先生はふりむいて「そうだ。でもプリントがあるから、ちゃんとやれよ」と、答えた。


先生が来ない……。


その言葉に生徒たちが盛り上がる。


いくらプリントがあったって、生徒たちからすれば休憩時間とさほど変わらないということだ。


同時に嫌な予感が胸をよぎる。
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