【完】嘘から始まる初恋ウェディング
お前は、俺が汚していい女ではない。 こういった清純で重いタイプの女にだけは手を出さないと決めていた。 後で面倒になるのは目に見えていたから。
だから一番避けて通ってきたタイプだったのに。 お前が余りにも真っ直ぐに想いをぶつけてくるから。どうかしてしまったとしか思えない。
「初めては大切な男にとっておけ。」
俺らしくない台詞をよくも吐けたものだ。
そう言ったら、背中越し柔らかい胸の膨らみと温もりを感じる。
「おい!人の話を聞いてたか?! つーか煙草吸ってんのに急に抱き着くな…!危ない!」
振り返った瞬間、俺の背中にぎゅうっとしがみついて涙をぽろぽろと零すルナの表情が見えた。
「…やっぱり私白鳥さんが好き…。」
「馬鹿女め…」
「馬鹿でもいいわ…。 だって、怖かったけれど嬉しかったのは本当だもの…。
初めてのキスだったの…。それに怖かったのは…初めてだったからで白鳥さんが怖かったわけじゃないの」