【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「トリートメントと、カットね。 カットは整える程度で良い?」

「ええ、整える程度で」

「それにしても綺麗な髪の毛…。羨ましくなっちゃう」

私の髪の毛の毛先をとって、うっとりと見つめる。 けれど私は実悠さんのシンプルに施されたベージュのネイルに夢中になっていた。

…こんな人が白鳥さんの恋人だったら、勝ち目なんかない。


他愛もない話をしながら、実悠さんはカットとトリートメントを進めていく。

途中で声が掛かったり、同僚からも信頼されているようだ。 大人っぽくて、綺麗。 だけど飾らずに話しかけやすい。

お喋りがとても上手な人だったから、人見知りの私も気負わずに話す事が出来た。
けれどもいつまで経っても確信に触れる事は、言えずにいた。

「この商品、新しいドライヤーなんだけど髪が全然傷まないの」

「まあ、すごいですわ」

「特別に今うちで販売もしているんだけど、すっごく安く買えるの。
こっちのヘアアイロンも破格の値段で出ているのよ。ヘアアイロンって髪にダメージを与えるイメージがあると思うけど
アイロンしながら髪も綺麗になっていくって商品なの。」

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