【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「ルナを騙して何が目的なのよッ。 あの子にはあんたより絶対北斗の方がいいに決まってる!
お金なの?!そうやって人の気持ちを弄んで楽しい?!」
「ちょ、お前、落ち着け。確かに俺は桜栄社長に頼まれてルナの身辺警護をしていた。
だけど………」
最悪な誤解はいつだって起こって欲しくない時に起こってしまうものだ。
興奮していたレナの声はオフィス内いっぱいに響いていた。
お昼時で丁度人が出払っていたのが唯一の救いだ。 黙らせようとレナの腕を掴んだ瞬間だった。
「嘘……」
ぼとりと持っていた鞄がゆっくりと落ちる音だけが響く。
その声色には聞き覚えがあった。 どこから出ている高音かと初めは戸惑ったものだ。
レナの腕を掴み、ゆっくりと振り返った先には顔面蒼白のルナの姿があった。 手を口にあてて、大きな瞳からは今にも涙が零れ落ちそうだった。