【完】嘘から始まる初恋ウェディング
扉の先に立っていたのは、息を切らせていた白鳥さんだった。
パーカーにジャージのラフな格好で、髪もボサボサで振り乱している。
映像の中で夢見た王子様とは違う。 それでも私が好きになった王子様だ。
驚いた父は椅子から立ち上がり、声を荒げた。
「し、白鳥くん…?!何故ここに?!君の仕事は終わったはずだが……」
父の話も聞かないまま、白鳥さんはがっちりと私の腕を取った。
「おい!白鳥くん、ルナをどこへ?!」
「うるせ! こいつは貰っていく!」
「はぁ?!君は一体何を言っているんだ!
今日は大切な両親顔合わせの日で、ルナは北斗くんと結婚をするんだ!
おい、待て!こら!」
「うるせぇって。こいつは俺の物だ。 あんたにも阿久津さんにも渡さねぇよ。
おい、ルナ、行くぞ!」
「おいおい、一体何の話だ。 ルナ待て!そんなの、許さないぞ?!」
白鳥さんの掴まれた腕とは反対の腕を、父ががっしりと掴む。 けれど私はそれを強く振り払ってしまった。
勝手な娘でごめんなさい。
ほっくんもほっくんのご両親も言葉を失っている。
けれど父の横で母だけが笑っていて、私に向かってウィンクをしている。