【完】嘘から始まる初恋ウェディング
その言葉は本音だった。 確かに正反対に見えるし、周りへのアプローチの仕方も全然違う。
それでもルナもレナも一生懸命で頑張っているのは、この一週間同じオフィスで仕事をしていて分かった。
俺の言葉にルナは顔を上げて、ふんわりと微笑んだ。
「ところで、白鳥さん」
「どうしました?ルナさん」
今日の俺は上機嫌だった。いつもより作り笑いが捗る。 にこにことした眼差しを彼女に向けると、ホッとしたような表情を向けてとんでもない事を言い出した。
「明日は土曜日で会社も休みですわよね。 何か用事があるのでしょうか?」
思わず眉がぴくりと動いた。 キラキラとした大きな瞳は、俺の横で希望に満ち溢れたジュリエットの瞳と同じだ。
嫌な予感に思わず身震いをする。
「よ…用事」
「あの、用事があればいいんですけど…。
明日、舞台のチケットがあって観劇をしにいくのですが…
白鳥さんがもしお暇ならばご一緒にどうかと思いまして」