棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目



 周りの視線なんか、気にしていられない。



 階段を思いっきり駆け下りて。


 階段の踊り場で
 尻もちをついたように座る、りんりんの元へ。




「大丈夫?」


「あっ……はい。
 全然、大丈夫ですから……」



 りんりんは、そっけない態度。



 僕から、スッと視線を外し。

「階段を……
 踏み外しただけなので……」

 
 知らない人並みの敬語を連らね
 僕を、拒絶しているかのよう。





「どこか、痛いとこはない?」


「……はい」


「頭、打たなかった?」


「どこも、痛くありませんから」



 後ろから倒れたから、
 頭を打ったかと思ったけど。

 大丈夫そうで良かったぁ。


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