俺が優しいと思うなよ?

「建築デザイナーは何千人もいるのに、何故成海部長は三年もブランクがあるあなたを選んだのか。それは成海部長じゃないとわからない、三波さんでなきゃいけない理由があったんじゃないかな…と、思うのよね」

倉岸さんはそう言って、綺麗なスモークピンクのスカートを靡かせてコーヒーカップを片手に給湯室を後にする。

──何故、社長と成海さんは私を迎え入れたのか。

それは私にとっても、謎だ。

とにかく現場を見てきた以上、何か一つでも教会のイメージを考えなくては。例え倉岸さんの言うとおり、彼らが私との接し方を熟知していても、私はそれに甘えてはいけないのだ。

服の袖で涙を拭う。
デスクに戻った私はパソコンを立ち上げ、過去の資料を漁った。

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